不動産担保ローンのリースバックとは?通常との違いについて徹底解説!

不動産担保ローンのリースバックとは?通常との違いや比較について徹底解説!

物件を所有していて資金を得たい場合は、不動産担保ローンの利用を検討できます。物件を担保にして評価額に応じた金額を金融機関から借入れできるため、大金を得られる機会にもなります。

ただ、不動産担保ローン以外にも様々な種類が提供されているため、自分の目的や用途に応じたものを選択する必要があります。その中で、リースバックという制度もありますが、不動産担保ローンとの違いについてわからない人もいるはずです。今回の記事でそれぞれの内容について紹介致します。

リースバックの仕組みと不動産担保ローンの違いとは?

リースバックの仕組みとは何なのか把握しておくのも重要です。まず、リースバックは現在利用中の不動産を第三者に売却して、同時に売却した不動産を利用し続けるために買主との間で賃貸借契約を締結することです。

つまり、リースバックは売買契約と賃借契約を同時に行う仕組みになっており、マンションやアパートを売却した後も自分は使用できます。ただ、リースバックは普通の賃借契約とは異なり、貸主と借主の間で期間ごとに再契約をしていく内容です。

更新という概念ではないため、この点を明記しておくべきです。近年は高齢化や経済不安などでリースバックの需要も高くなっていますが、不動産担保ローンとは、どのような違いがあるのか把握しておくのも大事です。ポイントを押さえて内容を紹介致します。

所有権移転の有無

リースバックと不動産担保ローンでは、所有権の移転について異なります。リースバックは自分の物件を売却した後に賃貸に切り替える方法です。そのため、契約が成立した時点で物件の所有権は運営会社に移転し、自分はその後何もできなくなります。

仮に運営会社がリースバックの契約を更新しない手続きを取ったとしても、受け入れなくてはいけません。しかし、不動産担保ローンの場合は自宅や物件を担保にしているだけであり、所有権は自分にあります。そのため、金融機関が勝手に売却はできず、自分の資産として保護できます。

資金の受け取り方と支払い方法

リースバックと不動産担保ローンでは、資金の受け取り方と支払い方法も異なります。リースバックの場合は売却資金を受け取り、その後は毎月家賃を支払います。売却した利益なので、受け取ったお金は返済しなくて済み、全て使い切っても運営会社から督促などが来ることはありません。

しかし、不動産担保ローンの場合は融資という形式であるため、担保にした物件で資金を得た後は、毎月決まった金額を返済していく必要があります。もし、返済を滞納してしまった場合は、物件を資金回収のために売却され、失うことになります。資金の入手と支払い方法は異なるので、把握しておきましょう。

不動産担保ローンと比較したリースバックのメリットとデメリット

不動産担保ローンとリースバックではお互いに仕組みが異なるため、それぞれのポイントを押さえておく必要があります。リースバックの場合は不動産担保ローンと比較して、どのようなメリットやデメリットがあるのか理解しておくと、自分に有効活用できるのか検討できます。それぞれの内容について紹介致します。

メリット.審査が必要ない

リースバックを利用するなら、審査をせずに資金を得ることができます。リースバックは融資ではなく、不動産を売却することです。そのため、自分の仕事や年齢、年収などによって拒否はされません。持ち家や土地などがあれば評価額に沿って売却できるので資金調達の方法として計算しやすいです。

一方、不動産担保ローンの場合は融資という形になるため、年齢や年収などを審査して判断されます。返済能力が無いと判断されるなら、借入れを拒否されてしまうケースもあるため、必ず資金調達できるわけでははありません。この点を比較すると、資金を必ず得たいならリースバックを活用するのが良いでしょう。

メリット.費用負担のリスクがない

リースバックは自宅を売却するため、家の管理をしなくて済みます。物件を所有しているなら、家の維持を行うために、修繕費などはもちろん、災害など予期せぬ事態が生じたときに、大きな出費が生じる可能性もあります。

不動産担保ローンの場合は担保に入っていたとしても、毎月のメンテナンス費などは自分たちで支払う必要があるため、自己負担しなくてはいけません。一方、リースバックの場合は物件を売却するため、自分の所有権ではなく運営会社に譲渡されます。

そのため、メンテナンスにかかる管理費は全てリース先に会社が負担し、自分が使用していても出費はありません。費用の面ではリスクがないので、状況によっては大きなポイントとなるでしょう。

デメリット.リースバックで必ず住み続けられるわけではない

リースバックを利用するなら、すでに物件は自分の物ではありません。賃借契約によって引き続き住むことは可能ですが、相手側の都合によって左右されるため、いつまでも利用できるわけではありません。

特に、リースバックで定期賃貸借契約を結んだ場合は期間の更新というわけではないので、貸主の意向によっては不動産から出て行かなくてはいけないケースもあります。普通賃貸借契約であれば定期的に更新ができるため、リースバックを活用するときは注意していなくてはいけません。不動産担保ローンの場合は、所有権は自分にあるため、返済を滞納しないかぎりは住み続けることは可能です。

デメリット.毎月の賃料が発生する

リースバックを利用するなら物件を売却した後は資金を得られますが、住み続けるとなると賃料が発生します。毎月運営会社との契約に沿って支払わなければいけないので、毎月の出費負担になります。しかも、リースバックの場合は通常の賃貸借とは異なり、買主の購入価格をベースにして利回り計算される方法です。

エリアや不動産によりますが、売却金額の10%前後が年間の賃料相場と言われているため、仮に1,000万円であれば100万円前後になります。想定よりも賃料負担が増すと支払いが厳しくなる傾向もあるため、この点を把握して活用しなくてはいけません。

【まとめ】不動産担保ローンとリースバックの利用は比較して検討しよう

物件を所有していて資金を得たい場合は不動産担保ローンとリースバック形式のどちらかを選択できます。ただ、リースバックを利用するときも、ポイントを押さえていなくては、後々の支払いが厳しくなる可能性もあります。それぞれの仕組みを理解して自分にとってメリットの大きい方を選択してください。