資金調達のローン返済計画のシミュレーションとは?

会社を経営しているなら、資金調達をしてお金をある程度使用できる状態にしておく必要があります。資金が無くなれば経営自体が難しくなり、大きな事業を逃してしまうなどデメリットになるからです。

ただ、資金を調達できても返済をしなくてはいけないので、その計画も同時に立てなくてはいけません。資金の流れをしっかり確立しておくためにも、返済計画を立てることは重要なポイントになるため内容を紹介致します。

資金調達でローンを組む際に把握しておく点とは

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会社にとって事業を継続していくことや拡大するためには資金調達が必要です。ただ、使途が明確になっていても返済などを含めて検討しなくてはいけないため、借入額が大きければ良いわけでもありません。銀行や日本信用金庫、ノンバンクなどから資金調達を行う際のポイントについて内容を紹介致します。

経常運転資金額や借入金月商倍率を算出してみる

経営運転資金とは、売掛債権と棚卸資産を仕入債務で差し引いて算出したものです。例えば(売掛金+受取手形+棚卸資産)−(買掛金+支払手形)という計算方法で、資金額を算出することが可能です。事業による収入は一般的に支払いを先に行い、入金は何ヶ月も先になります。

そのため、算出して出た金額は準備して手元に残しておかないと、万が一の事態になれば資金が無くなる可能性があります。金融機関も融資をする際に、金額が大きいと審査が厳しくなり、落ちてしまうリスクも高いです。

しかし、経常運転資金額による範囲であれば、比較的簡単に借入れ審査を通過できる可能性もあるので、内容をチェックしてから申込みしましょう。また、借入金月商倍率は「借入金÷月商」で算出ができ、金融機関が借入金の返済余力を見るための代表的な数値です。

その際、借入金が月商の6倍を超えると危険と判断されます。健全と金融機関が判断するのは3倍までなので、事前に計算してどのくらい借入れできるのか確認してみましょう。

税引き後当期利益+減価償却費で算出してみる

「利益+減価償却費」は簡易的なキャッシュフローと言われており、金融機関が融資の際に判断する数値です。この数値によって返済できるのか判断するため、企業側も算出しておくのがおすすめですが、利益に該当する部分はいろいろあります。

例えば、前期の税引き後当利純利益が20万円で減価償却費が100万円であれば、簡易キャッシュフローは120万円であり、年間で返済できる金額と金融機関は判断します。一般的に金額の10倍以上に融資は債務償還年数の考え方から返済が困難と見るため、今回だと1,200万円の融資は難しいと言えるでしょう。

もちろん、この計算は簡易的なキャッシュフローになるため正確な数値ではありません。例えば、売上高は計上されても入金や支払いは翌月になるケースもあるため、損益計算書の数値と実数は異なるケースもあります。主に今後の資金をやり繰りするためのベースと判断するために活用するため、経営者は資金調達の前に計算してみてください。

返済計画のシミュレーションによるポイントとは?

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資金調達して借入れを行う際は、返済計画を立てることも重要です。返済は滞納などを行うと事業経営が難しくなるため、ミスを出さないようにシミュレーションを活用できます。ただ、シミュレーションにもポイントがあるので内容を紹介しましょう。

資金繰り予定表を作成してシミュレーションしてみる

資金調達をする際は、資金繰り予定表を作成して考えるのも1つの方法です。予定表を作成するために決まったフォーマットはないため、Excelなど何でも使いやすいもので問題ありません。資金繰り予定表には収入と支出をベースにし、収入欄には現金売上、売掛回収金、受取手形の成立、借入金などの項目を加えます。

支出欄には現金仕入れ、買掛金支払、支払決済、給与、その他経費、借入金返済などが項目です。それぞれの項目に金額を記載していくなら、来期の金額を確認できますが、例えばAという企業が1年間の予定表を作成した際に、来季10月に資金が50万円マイナスになったとします。

予定表では8〜9月から手元資金が減少している傾向になっていたため、7月に500万円を借入れして、返済可能な金額で設定し、10月のマイナス分を打ち消しできる判断できます。このように予定表を作成したときに、金額がマイナスになる月を確認し、どのくらいの資金を借入れすれば良いのか計算すると、常に経常資金を準備できる状態が可能です。

ただ、融資を受けた後は利子を含めた返済金額により、マイナスにならないかチェックする必要もあります。予定表を作成してシミュレーションすると、いつ資金調達して金額も把握しやすくなるため、活用してみましょう。

予定表作成は新規による借入や修正も行う

新しく借入を行う際は返済計画表に追加しないと計算にズレが生じます。金額が低くても記載しておくと返済の証拠になるため、必ず追加してください。また、借入中やリースの際に繰り上げ返済などを行うと金額や利率などが変更されるケースもあります。その場合は返済計画書を初めから作り直さないと正確な金額が分からないので、手間がかかりますが、倒産防止のため行ってください。

公庫や銀行のサイトでシミュレーションしてみる

資金調達をする際に簡易的にシミュレーションしたい方は、公庫や銀行のサイトにアクセスしてみましょう。金融機関によっては資金調達する際のシミュレーションが設計されており、Excelや計算ソフトを活用するよりも簡単に金額を算出できます。

金融機関のサイトにより仕様は異なる場合もありますが、借入返済と金利計算をシミュレーションしたい場合は借入金額、返済方法、返済期間、金利を入力すれば金額が出ます。結果に応じて借入条件、年間の返済額元利計、元金、利息、残高が反映され、月間返済シミュレーションにより1ヶ月単位でのシミュレーションも確認可能です。

シミュレーションによって返済金額をチェックできるため、会社として負担にならないか申込み前に判断できます。もし厳しい場合は金額を減らして毎月の返済額が負担にならないように調整できます。ただ、簡易的なシミュレーションなので、返済や借入れ金額はあくまで目安です。必ずシミュレーション通りで借入れできるとは限らないと明記してください。

【まとめ】資金調達は十分な計画を元に行おう

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資金調達は会社にとって重要であり、円滑に経営していく点で考慮すべき点です。マイナスにならないように資金をやり繰りできれば、事業も進められて企業として成長できます。ぜひ、今回の内容を把握して資金の準備に活用してください。